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部分法より全体法、集申法より分散法「全体法」は「部分法」に勝る!たとえば一冊のテキストを暗記しようという場合、以下の二通りのやり方がある。
「全体法」最初に全体を把握してから、次第に細かい部分を覚えていく方法「部分法」テキストの前から後ろのほうへと、順番に暗記していく方法両者をくらべた場合、どちらが学習効果が上がるだろうか?具体例を挙げる。 あるテキストが第一章から第三章まであり、このテキストを一五〇時間勉強するとしよう。
部分法では、最初に第一章を五〇時間で暗記し、次に第二章を五〇時間で暗記して、最後に第三章を五〇時間で暗記する。 一方の全体法では、最初の五〇時間で、テキスト全体(第一章1第三章)の太字の語句だけ暗記する。
次の五〇時間では、テキストの本文全体(太字も含まれる)をざっと通読する。 最後の五〇時間は、テキストの本文の暗記とそれ以外の細部(欄外・図表・資料)に日を通す。
勉強時間はまったく同じ一五〇時間だが、全体法では三度、テキストを見返している。 部分法は丹念に読み込んだにしても一度だけ。
だから、第三章を終えたころには、第一章の内容をほとんど忘れているにちがいない。 第二章の内容も、かなりあやしくなっているはずだ。

それに対して、全体法は初回は太字だけ、二固めは本文全体、三固めは細部までとメリハリが効いていて、これだけで本文重要事項は「復習」が二回できる。 結果はもうおわかりだろう。
勉強が終わった時点では、全体法のほうが暗記できた知識量は多いのだ。 はじめて勉強するテキストでも、最初から事細かく細部まで覚えようとせず、まず重要事項に絞って全体を通して読んでしまう。
次に、その重要事項に肉付けしていき、細かな注書きや図表、資料などは最後の仕上げの段階まで残しておけばいい。 上記の例はかなり極端なので、部分法の効率が悪いことが一目瞭然だろう。
間違っても、部分法で勉強しようと思った読者はいないはずだ。 しかし実際には、全体法より部分法に近い勉強のしかたをしている人が非常に多い。
あなたの勉強法は、全体法と部分法のどちらに近いですか。 集中法よりも分散法で勉強計画を立てよ。
次に、「集中法」と「分散法」について比較しておこう。 たとえば、苦手分野を征服しようという場合でも、次の二通りの方法がある。
「集中法」五日間つづけて、毎日その分野を勉強する(一日に一時間。 計五時間)「分散法」その分野の勉強は三日に一回くらいの割合にし(一回に一時間)、全部で五回に分けて勉強する(計五時間)勉強にかかった時間は、どちらも同じだ。
しかし、結果的には、分散法のほうが実力がつく。 その理由は、「レミニセンス効果」による。
記憶した直後はあまり理解できなかったのに、何日かたってから再び同じ部分を勉強したら、なぜか今度はしっかり理解ができたこのような経験をした人は多いはずだ。 その理由は、前述したように、「眠っているあいだに、脳が必要な知識と不要な知識を振り分ける」からである。
この結果、不要な知識は捨てられ、必要な知識が整理・統合される。 これが「レミニセンス効果」といわれるものなのである。

「一夜漬けで一気にやるより、地道にコツコツ努力するほうがよい」とは一般によくいわれることだが、これも脳科学的に根拠のあることなのだ。 つまり、一夜漬けが集中法にあたり、コツコツ努力は分散法にあたるわけだ。
どちらかといえば、生真面目・九帳面な性格の人ほど集中法を取りたがる。 一つの分野をこなしてからでないと、次の分野に移る気がしない;というわけだが、これは効率という点から褒められた勉強法ではない。
性格がどうであれ、脳のメカニズムまでは変えようがないのだ。 「要領のいい勉強のしかた」というと語弊があるが、分散法が身についている人は、意識してか無意識のうちか、レミニセンス効果をうまく使っている。
性格はなかなか変えられるものではないが、勉強法は変える気になったらいくらでも変えられる。 その方法には二通りある。
参考書をほとんど完壁に暗記してから、本当に覚えているかどうかの確認をするために、問題集を使う方法。 もう一つは、参考書はざっとやる程度にし、さっそく問題集にとりかかり、間違えたり忘れている事項があったら、参考書の該当部分を復習して覚え直す方法。
この二つをくらべると、後者のほうが優れている。 その根拠は、「大脳は間違えることによって、記憶が強化される性質がある」ためにほかならない。

同じ参考書と問題集を使うにしても、問題集をどういうふうに使うかによって、成果は大きく異なってくるのだ。 前項の「集中法」型の勉強法を取っている人は、たぶん参考書を一通りやってから問題集に向かうタイプであろう。
そういう方法ではダメなのだ。 よく、「問題集は早期から使うべきだ」といわれるが、これは上記したように脳科学的な根拠があったわけである。
ここで、行政書士を目指している社会人Aさんの例を紹介しておこう。 行政書士の試験は、民法・刑法・商法から行政法まで、法律だけでもうんざりするほど種類もボリュームもあるうえ、くわえて漢字や数学などの一般常識科目まである。
税理士試験のように、過去の試験で合格した科目はパスになるという制度もないから、毎年すべて一発勝負となる。 Aさんは、参考書のほかに問題集も用いて、実に真面目に勉強している。
法解釈にまでこだわり、この過去問の答えは間違っているのではないかと、出版元に問い合わせの電話を入れるほど熱心でもある。 ところが、年一回しかない試験を何回受けても合格できない。
どこに原因があるのだろうか?私にいわせれば、「勉強法に問題がある」としかいいようがない。 行政書士試験は六割、正解すれば合格する。
なのに、Aさんは「全科目満点を目指した勉強」をしているのではないか。 が、いかんせん、試験範囲はきわめて広範に及ぶ。
いくら勉強し知識を詰め込もうとしても、新しい記憶が増えていくあいだに、古い記憶は徐々に消えていく。 別の情報が入ることで前の情報が消し飛ぶ「干渉効果」もはたらく。

こうした脳のメカニズムによるイタチゴッコからは誰しも逃れられないのだが、Aさんは脳のメカニズムを承知していない(無視している)ようなフシがある。 あれだけの熱心さがあれば、勉強法、とりわけ問題集の使い方を変えるだけで行政書士試験は突破できると思う。
過去聞をやるのは大いに結構だが、枝葉末節にこだわっても意味はない。 完壁を求めるのはいいことだ。
たしかに、試験当日は完壁に暗記しておく必要がある。 しかし、受験勉強のさなかにおいてはウロ覚えで十分なのである。
私は、「ウロ覚え勉強法」で東大文Eから理Eへの再受験を突破した。 そして、「ドクター福井のウロ覚え勉強法」ということで、人にも推奨している。
テキストを何度か通読したら(この段階ではまだウロ覚え状態だが、それでよしとする)、さっそく問題集に取りかかる。 で、間違えた問題、解けなかった問題があると、すぐさまテキストの該当箇所を開いて読み直す。
ただこれだけのことなのだが、効果はてきめんである。 この勉強法のメリットは、次のような点にある。

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